濡れ落ち葉考
積極的にではないが、どうしても目が離せないと云うか、気にかかって仕方ないと云うか、無視しようとしてもつい観察してしまうことがある。濡れ落ち葉症候群である。
退職後、自由な時間を持て余して、奥さんにくっついて回って嫌がられる旦那のことを、はらってもはらっても地面にまとわりつく湿った落ち葉になぞらえた呼称。
そう云う人もいるんだね~、と無関係の立場でとらえていたが、それが案外身の回りに居るのである。
観察サンプルは5例。63歳を最低年齢として、上は推定75歳。その内3例はおそらく本人にも自覚があると思われるが、残る2例は無自覚。のようである。
この無自覚濡れ落ち葉は厄介だ。その年齢層って大体、亭主関白で男尊女卑の傾向があり基本的には封建主義の香りがプンプンする。こうなると奥さんが気の毒である。
奥さんが単独で外出するのを嫌がる。一緒に出るのは好いの。自分が置いて行かれるのが嫌みたい。でも自覚がないもんだから、奥さんにブツブツ小言云う。「また買い物か。計画して買い物しろ」「旅行行くのにわざわざ洋服を新調するこたない、買いに行かなくてイイ」「友達が行かないのに、習い事、ひとりで行くのか」 結局、自分が独りになるのが嫌なんじゃないかと思う。
仲が悪いわけじゃなく、奥さんのことは大好きのようだ。ところが概ね奥さんはシャキシャキしてるタイプが多く、現役を退いて毎日在宅している旦那に、まるで監視されてるみたいな不満が芽生え始めてる。旦那は自覚がないもんだから、可愛がってるつもりなんだろうけど相手に今一つ伝わってないみたいなんだなぁ。ひどく深刻になってる家はないけど、仮に奥さんが熟年離婚など云い出したら、旦那は青天の霹靂だろう。
自覚のある(らしい)濡れ落ち葉チームは、やっぱり奥さんから離れず、奥さんに来客があっても、一緒に居間に座り込んで奥さんの話を、目を細めながら「ウンウン」って聞いてるらしい。「だから内緒話なんて出来ないのよ!友達と旅行したくっても、ホラ、ついてくるじゃない、行けないのよ!」 来客の方も「あそこん家行くと、旦那がべったりくっついてて、口は挟まないけど話聞いてるからさぁ~・・・」と次第に足が遠のくようだ。
しんちゃんも若年性濡れ落ち葉なのであるが、こっちもそれは判っているし、私自身自立してシャキシャキ!のタイプではないので、今のところ特にウゼエなあ~などとは思わない。かえってネタが出来て有難いくらい。先日も「私が夜、お稽古ごとに出かけたいって云っても、快く送り出してくれるよね?」と尋ねたら「ウン!くっついて行くヨ!」と即答したので大笑いした。了承済みだから何も問題はないが、定年後発症したケースだとこうも行かないと思うな。大体私は家虫で、ずっと家にいたって何ともない。日が暮れてお稽古ごとなんか行くわけがない。ところが濡れ落ち葉の奥さん方は、まあ見る限りジャンジャン活動したいタイプだ。ふむふむ、奥さんのタイプも濡れ落ち葉と見なす要因になるな。
在宅中心でも平気の奥さん→旦那がくっついても気にならない
外で活動したい奥さん→旦那に縛られてると感じる
おぉ!こういうこってすな。
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