四部作
「Xの悲劇」、犯人も判り、探偵が謎解きしているのに、なかなか読み終わらない。読み始めるとすぐに寝てしまうのでページが進まないのだ。内容のせいではなく、私の寝つきが異状なのであろう。超早。医師に睡眠導入剤を処方してもらってる人、結構周囲に多いが、私は「今日は夜更かしして読んじゃおう」と意気込んで布団に入るのに、速攻寝てしまう。需要と供給バランス、どうにか出来ないものだろうか。
「Xの悲劇」はレーン四部作、当然ながらエラリーは出て来ない。途中まで地味で退屈だったけど、デウィットが無実を云い渡された後の展開は俄然面白くなった。サム警部もレーンを信頼し始め、チームが揃って一安心。ミステリの期待を裏切らない意外な犯人。「X」とは…ラストにて鮮やかに解明。地味な前半もきちんと読んでおいてこそのラスト。
クイーンの代表傑作に必ず挙がる「Yの悲劇」は、ヴァン・ダインを意識して書かれたらしいが、執筆背景はさておいてもさすがに素晴らしい。退屈な場面などどこにもなく、有名過ぎる「楽器」と「鈍器」が念頭にあってもお話の面白さには全く関係ない。犯人を覚えていたので、レーンの苦悩描写を味わう余裕もあった。初読であれば、悩むのは後にして早く謎解きを!と焦れていたに違いない。
「Zの悲劇」は、それまでの「X」「Y」の章立てが場所・日時を明記し、まるで舞台芝居の台本の趣向だったのが、普通の目次になっている。語り手も前二作が「神の目線」だったのに対し、サム警部の娘ペーシェンスの一人称に変わった。それって最終作への準備なのかな。内容はイマイチ面白くないなと思いつつ読む。少女探偵ですか。監獄がお話の核になっているせいか、全体的に重苦しく暗い。しかし、レーンが犯人の条件を挙げ、徐々に消去法で絞って行くシーンはこっちも真剣になった。
四部作最終話「レーン最後の事件」では、語り手は再び神の目線。探し出せず新たに購入した本なので何となく新鮮。昔の文庫本って活字の押した跡がページ裏に浮き出てて、その手触りが好きだったんだけど、最近のはそんなことないんだな。解説にあったが、前の三作はこの最終章をより深く感動的に味わうための布石。いきなり本作に手を出さないように、と。本当だ。ラストの一文からいつまでも目が離せなかった。
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